雑に1年を振り返る2022
みなさん、あけましておめでとうございます。
年明けの公開ですが、これを書いているのは年の瀬です。
TLが実家に帰っている人とコミケに参加する人に真っ二つになっているのを感じると、年末という気分になります。
この記事を書くのも6回目です。
最初の年の記事を読み返すと当時自分は27歳、現職に転職した年でした。
相変わらず同じ会社に勤めているのですが、当時とはオフィスも仕事内容も会社のステータスも変わり、隔世の感を覚えます。
今年は公私共に変化の多かった年ですが、技術ブログの本分である「プライベートで取り組んでいること」にあたる内容が全然なく、ちょっと筆が重いです。また、そういう年なので最後の「2022年を振り返ってどうだったか/2023年について」が随分長くなってしまいましたが、何卒お付き合いください。
それでは書いていきます。昨年のものはこちらです。
仕事のこと
マネジメント専業になりました
昨年の記事に「開発とマネジメントを並行させてしんどかった」という内容を書いていますが、2月頃から無事マネジメント専業になりました。
開発とマネジメントを並行させるとMTGなどがない空いた時間をすべて開発に充てねばならず、チームを改善していく施策を打てないことから不満が大きかったため、ありがたい話です。
マネージャーとして時間ができたおかげで、
- EOL対応・技術スタックの整理などを含んだ開発ロードマップの作製
- チームで作成してメンテするドキュメントの洗い出し
- コードの質を高めるための勉強会の企画
- メトリクスの設定と計測
など、いわゆる「攻め」の施策が打てるようになりました。
特に開発ロードマップの作製をしたことによって「3年先を見据えて、1年先までに何をやるか」を具体的に考えることができるようになりました。意図的なものではないですが、視座が少し上がった気がします。
また、採用やコードレビュー、脆弱性診断の担当、技術的負債の定期的な解消など、これまでやってきたことも継続してやっています。
単純に仕事量が増えているので大変ですが、仕事内容が変化したおかげで楽しくやれています。
自分の仕事をバックログ管理し始めました
マネジメント専業になってまず困ったのは、「自分で決めた作業量の分からない仕事の予実管理をやらなくてはならない」ことでした。
エンジニアリングマネージャー(EM)の仕事は仕組みづくりや技術調査が主で、仕事の大半は「作業量の分からない仕事」になります。
この手の仕事は手を付けない状態での見積精度に限界があり、それを嫌って1「見積をしない」という選択をする人もいます。しかし、ロードマップを引いてそれに従ってやっている以上、書いてあることはできるだけ実現する必要があります。
そんなわけで、自分の仕事のバックログ管理を始めました。
4週間1スプリントとして、相対見積をしたチケットを前スプリントの消化実績(ベロシティ)をもとに積んでいき、優先順位に従って手をつけていきます。
4週間にしたのは、1週間や2週間だと月1のMTGがある週とない週で使える時間が変わってしまって、ベロシティ計測に意味がなくなるからです。
やってみた感想としては、「4週間スプリントは長すぎて、割り込みタスクの管理が難しい」「かといって上記の理由から、4週間を崩すわけにはいかない」というジレンマに悩まされる、ということでした。
早めに検知して見積してスプリントのスコープ変更をする仕組みを入れたほうが良いなと思っています。
業務時間の計測を始めました
上記のように可処分時間がまちまちなので、使えている時間を可視化するために何にどれだけ時間を使っているかの計測を始めました。
業務時間をどのくらい何に使ってるのか測るの最近やり始めたけど、何で忙しいのか可視化されて諦めてやるのか委譲するのか後回しにするのか分かって良い感じ #Forkwell_Library
— expa / Shu Oogawara (@expajp) 2022年9月6日
測ってみて分かったのは、バックログにある仕事に時間が3割程度しか使えていないこと。
かといって、それを圧迫しているのはMTGよりはコードレビューとか採用とかボーッとしている時間とかなので、もう少し手元に持っている仕事を減らさないとどうしようもないですね。。。
特にコードレビューは手離れさせたい反面、やめると技術力が落ちる上にプロダクトの状況把握ができなくなるので、数だけ減らしたい……
しかしまあ、こういう課題も計測したからこそ見えたことなので、良い感じに回ってはいます。推測するな、計測せよ。至言です。
肩書もマネージャーになりました
いままで立場的にはチームリーダー、やってることは実質マネージャー、みたいな状態が続いていましたが、11月付で肩書もマネージャーになりました。
そういえば今日から正式にエンジニアリングマネージャーを名乗れるようになりました
— expa / Shu Oogawara (@expajp) 2022年11月1日
EM系のイベントで「EMです」と名乗れるようになったのは嬉しいです。
管理職じゃないので残業代は引き続き頂きます。
上場しました
所属先の会社が上場した(5年ぶり2回目)
— expa / Shu Oogawara (@expajp) 2022年10月26日
前職も在籍中に上場したので、地味に2社続けてになります。転職の予定があるわけじゃないけど、次も未上場に行くか……?
前職は新卒で入った会社で入社1年後に上場だったので「へー」と眺めていただけでしたが、今回は貢献できた気がするので嬉しいです。
引き続き頑張ります。
私生活のこと
前撮りと挙式と披露宴やりました
3月に前撮り、7月に新婚旅行を兼ねてハワイで挙式、12月に小さなレストランで友人だけを招いて披露宴2を行いました。
たぶん人生で一番被写体になる1年だったんじゃないでしょうか。良い写真を沢山撮っていただきました。
お祝いしてくださったみなさんありがとうございました。
ハワイでのんびりしている様子です。
— expa / Shu Oogawara (@expajp) 2022年7月26日
家買いました
6月に首都圏某所にマンションを購入する契約をして、今年春頃に引っ越す予定です。
上記の結婚に関する諸々と併せて、妻とは随分話し合ってときには揉めたりもしましたが、家具を決めるところまで今年に収めたのは我ながらよくやったと思いました。
痩せました
挙式と披露宴に備えて、ジムに通ってダイエットしました。体重77kg→67kg、体脂肪率26%→19%なのでだいぶ身軽になりました。
ささみばかり食べていたせいなのか加齢のせいなのかわかりませんが、脂っこいものをだいぶ受け付けなくなりました。
お笑いのラジオを聴いたりライブを見たりしました
相変わらずお笑いにハマっています。消費するタイプの趣味はシンプルに楽しくて良いですね。
ライブイベントだと
を見ました。
M-1は、準決勝見た感じ優勝はさや香かヨネダ2000、最終決戦の残りは真空ジェシカ・ロングコートダディ・男性ブランコのうち2組、という予想でほとんど当たってたんですが、ウエストランドが優勝したのは予想外でした。
ファイナリストの発表を見たときは、トレンドは大喜利中心のコント漫才かと思ったんですが、違いましたね。正統派しゃべくり漫才のさや香がハネて、さらに時代の波に一切乗らずに武器を磨き続けたウエストランドがそれを上回ったのはかっこいい。
ラジオに関しては(需要はないだろうけど書きたいので)今年もnoteに記事を書こうと思います。
(追記)書きました。
引き続き秘境駅をめぐりました
GWに奥羽本線の大沢駅と男鹿高原駅を中心にした野岩鉄道・会津鉄道の各駅に訪問し、RubyKaigiで三重に行ったついでに近鉄西青山駅に訪問しました。
noteを書けてないのですが、大沢駅に行った時のツイートを載せておきます。
秘境駅ランキング57位、大沢駅に到着
— expa / Shu Oogawara (@expajp) 2022年5月3日
降りたのは自分ひとりでした
スノーシェッドの古びた感じが良い味を出しています
駅ノート記入しました pic.twitter.com/RytX3Z4wtd
大沢駅から駅間歩きで峠駅に到達するつもりだったのですが、GWなのに冬期通行止めが解除されておらず断念したのが心残りです。
「すずめの戸締まり」に織笠駅が出てきたので今年は三陸鉄道に乗りに行くつもりですが、同じタイミングでできれば峠駅リベンジを果たしたいです。
2022年を振り返って/2023年について
前撮りして挙式して披露宴して家を買って家具を決めて、仕事の方でもマネージャーに昇進して会社は上場して、とものすごく充実した1年でした。
一方で、自分で本を読んだりコード書いたりするのにはあまり時間を使えなかったため、停滞も感じる1年でした。また、停滞だけでなく、「技術のわかるマネージャーになる」3という新卒の頃にぼんやり立てた目標を(少なくとも肩書的には)達成してしまったにもかかわらず、技術的に胸を張れるほどの腕前になってないことにもずっとモヤモヤしていました。端的に言うと、焦っていたのでした。
また、ただ焦っているだけでなく、何かしようとするものの使える時間がないに等しい4ので何もできず、それがより焦りを生む、という悪循環に陥っていました。
しかも、立ち止まって考える暇もないほどだったので焦りを自覚することもできず、ストレスばかり溜め込んで、それが時には家庭にも影響し、と今思うとかなり荒んだ状態にいました。
ちょうどそんな時期にRubyKaigiで知り合った@edvakfさんと個人的に飲みに行かせてもらって、ようやく自分の焦りを自覚することができました。
マネジメントに関する考えを交わすだけでなく、家庭と上手く両立させながら腕を磨いていくためのお話もすることができ、2022年のハイライト的な飲み会になりました(後半はほとんど自分がアドバイスを受ける形になっていたかも)。
焦りを自覚するのと同じタイミングで、「あちこちオードリー」のオリエンタルラジオのあっちゃん5回で若林が「自己分析と内省が終わったタイミングがあって、そこから他人に興味を持ち始めた」と語っているのを目にしました。若林がどの程度本心で語っていたのかは分かりませんが、それを聞いて「自分は自分のことばっかだな」と妙に刺さってしまいました。
刺さったのは、自分の焦りの原因がそこにあるような気がしたからなんでしょう。
自分にはレジェンドと言われるようなプログラマーたちには単純に憧れがあるし、学生時代に「ハッカーになろう」には大きな感銘を受けたし、マネージャーとしてチームを率いていくためにもメンバーに胸を張れるようなプロダクトが必要だと感じています。
しかし、自分が欲しいのは技術を楽しむことより、どちらかというと「凄腕のプログラマーになった」という結果でした。
あくまで結果を得るために行動をしているので、どうしても発想が「どのように行動すれば腕が上げられるか」というカタチになって、自分は何をすべきか考え続けることになるので、結果、延々と自分に向き合うことになります。
そんな行動原理だと、悪いことに自意識がどんどん膨らんでいってさらに自分にばかり向き合うようになってしまうのです。
翻って、実際に凄腕の人は自分の内面ではなく自分の外部にある関心事、ひいては技術に向き合ってるよな、と思います。例年のRubyKaigiを思い返すと、つとに。
興味を持っていることに向き合って、それを躊躇なく突き詰める。突き詰めた結果、技術が身につき、誰にもたどり着けない領域に到達する。
自分のやっていることはその真逆なのですよね。
まあ、それに気付いて意識的に自分の行動を変えても「自分のやりたいことに向き合ってる」ことにはならないし、「どちらかといえば結果がほしい」という自分の内面を無理に変えることはできないわけですけど、自分の関心事を突き詰めるのを自意識過剰でブレーキしてしまっている側面はあるので、2023年はもう少し素直に生きようと思います。
これまで「自分には誰も興味がないので、わざわざ人に見せるのはよほど自信のあるものだけにする」というスタンスだったのですが、あまり良くはないですね。
人に見せることでポジティブな反応があることを期待してはいけなくて、そういう意味で「自分には誰も興味がない」と思っているのは悪くはない。でも、関心がないなら成果物にして人に見える位置に置いておくことは遠慮なくやればよいんです。自信のあるものだけ見せるのはネガティブな反応で自分が傷つくのを恐れているからで、自意識過剰以外の何物でもありません。
アウトプットを怠るのは「人に見せられるモノにする過程で理解が深まる」というメリットをぶん投げることになるので、もったいないです。
じゃあ自分の興味関心はなにか、と言われると今は「人間の認知のデバッグとハック」なわけで、技術から離れてだいぶ明後日の方向に行ってしまっている気がしないではないですが、興味があることなので素直に学んで成果物にしていくつもりです。
他方、お家を買ったことで「お金を稼がないといけない」という圧力が人生に発生してしまったので、しっかりお金は稼ぐことと興味関心を追うことは両立しなくてはいけません。ただ、自分の場合はお金を稼げなくなることより、お金を稼ぐことにかまけて自分を見失う方をやってしまいそうなので、その点はしっかり戒めていきたいと思います。
まとめ
- EM専業になって肩書もついて、チームと自分の仕事の計測を始めた
- 結婚にまつわるイベントが終わってお家も買った
- 2023年は素直に興味のあることに向き合って成果物にしていきたい
みなさん、本年もどうぞよろしくお願いします。