雑に1年を振り返る2021
あけましておめでとうございます。
2022年になってもう1週間経ってしまいましたが、みなさんいかがお過ごしでしょうか。
自分は、お正月に久しぶりに実家に帰ってたくさん食べ、それがずっと体に淀んでいたのがようやく抜けてきた感触があります。 確かに今日くらいのタイミングでお粥を食べるのはちょうど良い。
毎年年始に勝手に恒例にしているこの記事ですが、もう5年目になりました。
最初にやった2017年は仕事を始めて2年目、現職に転職した年です。
当時はとにかく必死にコード書いて本を読んでたので、マネジメント業中心の現在とはお仕事内容がぜんぜん違います。
年ごとにこの記事を追っていくと、プライベートで取り組んでいたことを含めて、やっていることが年々変化しているのがわかります。
ただ、今年はお仕事内容的にはそこまで変化のない年でした。2020年に合唱団をやめて現在の妻と同居を始め、今年は趣味の幅が広がったり結婚したりして、プライベートの変化のほうが多かったですね。
そのため、内省中心の技術ブログっぽくない内容になりそうです。例年より自分語り成分がより多めですので、付き合ってやっても良いよという方のみお付き合いください。
昨年のものはこちらです。
TL; DR
- 仕事は開発とマネジメントを並行させたがしんどかった
- Kaigi on Railsに登壇したり読書法をまとめたりしたが、コードを書いてなかった
- 今年はもうちょっと自分の思っていることを外に出したい
仕事のこと
ひとりPJとチームの運営
昨年はひとりPJでの開発とチームの運営をずっと並行してやっていました。
開発もマネジメントもできる美味しいポジションなのですが、リーダー業をやっている都合上、
- そもそもMTGが多い
- 障害や問い合わせが発生すると初動調査と報告をしないといけないので、突然数日分の開発工数が消えることがある
- 空いた時間はすべて開発に当てないといけないので、緊急性が低くても重要度が高いチームの課題を積極的に解決できない
などの問題が起こりました。開発もマネジメントも思う通りに進捗しなくて、精神的にも体力的にも結構しんどかったです。
夏以降は「1人はしんどいから誰かPJにアサインしてください」と言っていて実際そうなる予定だったのですが、アサインされる予定だった人がやむを得ない理由で突然契約終了となり、実質1人PJ1となってしまったのでした。
ただ、ElasticsearchやモダンJSでの非同期処理をがっつり触ることになったので、しんどかった代わりに技術者としては美味しかったかな。
2月には今度こそ状況が改善されそうなので、マネジメントに専念したいです。
脆弱性診断の主担当
はじめて脆弱性診断の主担当をやりました。
- 診断対象を洗い出し、
- ステージング環境のデータを綺麗にして、
- 出てきた見積から予算内になるようにさらに診断対象を絞り、
- 診断中の問い合わせには都度回答し、
- 見つかった脆弱性と不具合を起票して優先順位を決めて
……と2ヶ月くらい断続的にやることがあるので思ったより大変でした。
もう少し診断会社さんに「おまかせ」かと思っていたので最初期はしんどかったですが、
脆弱性診断は弱い箇所を見つけだしてもらうんじゃなくて、こちらが自己申告した怪しそうなところを試しに攻撃してもらう作業である
と見方が変わってからは、積極的に作業が進められるようになりました。
自分の期待値をコントロールするのも大事ですね。
採用
引き続き、書類選考と採用面接をやっています。もう2年以上やってるのか。
今年はそれに加えて、スカウト文を書くことが多くなりました。
ちゃんとスカウト文を書くには、
- チームの抱えている問題点を明確にして、
- それにはどんなことをする人が必要で、
- それをやってくれる人はどんな経歴を持っているか
を全部言語化した上で、文字だけで伝えきらないといけないので、物書きとしてのスキルが相当いることがわかりました。
「理科系の作文技術」をはじめとしたテクニカルライティングを扱った本を開くと、どの本にも「事実と意見を分けろ」「文はシンプルにしろ」と書かれています。
しかし、事実と意見を分けるとなんだか無味乾燥な文になりがちで、かといって混ぜると文が長くなるので感情のこもった内容が削ぎ落としに遭うしで、情報を正確に伝えながら熱量も伝える文を書くのがいかに難しいかを感じています。
良い塩梅というのが一番難しいですね、何事も。
私生活の仕事周りのこと
Kaigi on Rails 2021に登壇しました
今年一番大きかったイベントはこれじゃないでしょうか。
内容については「尺の都合で盛り込めなかった話」とセットで会社のブログに書きましたので、こちらでは割愛します。
実は昨年同テーマでCfPを出していました。しかし、昨年のCfPは自分がチームリーダーになる前の内容(第一部)のみだったためか、不採択。
CfPに「自分がそのトークをする理由」の欄があるKaigi on Railsでは、当事者性のない話はそぐわないと判断されたのかもしれません。
そこで、今年は自分がやったその後のチームの改善を追加して再度出してみたら、無事採択いただきました。
「ぜひ外に出したい」と長いこと思っていた内容で、外に出すための調整も大変だったので、反応がイマイチだったらどうしようと思って発表前はめちゃくちゃに緊張してました。
焦って早口にならないよう、発表を待機しているときにbittersweet samba2を流して、深夜ラジオのようにゆったり喋る練習をしたのも今や良い思い出です。
幸い「反応がイマイチだったらどうしよう」は杞憂に終わるどころか大きな反響をいただき、本当に嬉しかったです。 「うちのチームすごいんだぞ」と大きなイベントで発信できたこと、リーダー冥利につきます。
イベントの開催に携わった皆さんや発表の作成・練習にご協力いただいた皆さん、改めてありがとうございました。
また、同内容の発表をRubyWorld Conference 2021でもさせていただきました。こちらも、ありがとうございました。
細かいことをいくつか勉強しました
Docker
こちらの記事にまとめました。毎週土曜に8時間ずつコメダにこもってたのも半年前かあ
grep/sed/awk
こちらの記事にまとめました。sedはもう置換だけに使えば良いと開き直れたのは大きいです
これはコメダじゃなくて珈琲館でやりました
「独学大全」を起点にたくさん本を読みました
「独学大全」を2020年から2021年にかけて読みました。衝撃でした。
僕は学生時代に自分起点で勉強しなかったのを深く後悔しているのですが、加えて専門知を過小評価していたことを強く恥じることになりました。
新たな知識を生み出し、それを公開し、かつ容易に取り出せるように体系化する研究者の皆様の不断の努力には、頭が上がりません。
この本はITエンジニアにも強くおすすめできる本で、それはブログにまとめていますのでご覧ください。
「独学大全」はベストセラーになり、新宿西口にてこんなフェアをやっていたので行ってきました。
新宿の独学大全フェアに行ってきたよ pic.twitter.com/RMGkZEn5UZ
— expa / Shu Oogawara (@expajp) 2021年2月11日
「独学大全」で最も刺さった内容は「どのように勉強するのが効率が良いのか」「どのように本を読むのか」という部分で、そこを起点に認知科学と読書法の本をたくさん読みました。
例えば
などです。
今年の大半はこれらの本にかじりついていました。
これらを読書法として一つにまとめ、年末のアドベントカレンダーとしてQiitaに投稿しましたので、こちらもご覧ください。
私生活のこと
結婚しました
結婚しました pic.twitter.com/1KfDyZkigw
— expa / Shu Oogawara (@expajp) 2021年12月11日
めちゃくちゃ祝っていただいて自分は本当に幸せものです、ありがとうございました。
いうて、妻とは1年半前から同居しているので、結婚に伴う諸々の手続きや準備を除けば、そこまでお互いの生活に変化はないです。
お笑いをたくさん見ました
妻との数少ない共通の趣味なので、ここ1年で一気にお笑いにハマりました。
コロナ禍のつらいご時世の中、芸人さんには随分お世話になりました。劇場で見るお笑いも良いもんですね。
同時に芸人ラジオにハマり、週に15時間くらいは聴いています。
ラジオについては長くなりそうなので別途noteにまとめました。
ちなみに、好きな芸人はオズワルドです。
秘境駅めぐりをはじめました
秘境駅は、10年ほど前にJR福知山線の武田尾駅に訪問して以来ずっと好きだったのですが、一昨年の抜海駅訪問で火が付き、昨年はとうとう訪問をはじめました。
http://hp1.cyberstation.ne.jp/hikyoueki/index.htmlhp1.cyberstation.ne.jp
妻とのもう一つの共通の趣味は旅行なのですが、妻は観光地に行きたいのに対し自分は僻地に行きたいので、秘境駅に1人で訪問したあと合流したり帰ったりしてから2人で観光地に行く、みたいなことをやっています。
本来ならば人の集まる場所に作られる駅がなぜか誰も寄り付かないような僻地にある、歴史的経緯で生じた合理性とのズレが秘境駅の魅力で、駅の歴史を紐解くと、保線作業の都合であったり、鉄道建設の目的であったダム工事の便宜であったり、集落の消滅であったりと「ズレ」が生じた理由は様々です。
こちらもnoteにまとめています。
筋トレしてたくさん寝て健康になりました
早寝早起き朝ごはんで気分が良くなって仕事の効率が上がり、筋トレで20年来の悩みである肩こりが一発で治りました。
また、ダイエットのため低カロリー高タンパクの料理をたくさんつくりました3。もう体の半分が鶏むね肉でできていそうな勢い。
睡眠の話を中心に、ブログにまとめています。
2022年について
さて、いつものように「あれやりました、これやりました」な記事ですが、現状に満足行っているかというと正直なところそうではなく、
などなど、結構しくじった1年だったと思います。
特に「無意識下で『自分の人格には価値がない』と思っているせいで強迫的になっている」ことを自覚し、「いやいやそんなことない」と否定し切れなかったのが一番効きました。
そんな折に前々から決めていた入籍日を迎え、Twitterに報告したら予想以上に多くの方から祝ってもらえたので少し心が軽くなりました。
自分の価値を外部にばかり求めるのは危険ですが、内部にだけ求めるとそれはそれで八方塞がりになったときに抜け出せなくなって危険ですね4。
今までは成果物から自分の色をすべて消すよう努めていましたが、鬱陶しくないくらいなら残しても良いかなと思えるようになりました5。
コードを書きたい
「成果物から自分の色を消さなくても良い」という点では、「コードを書く」というのは自分をうまく隠しつつ人の役に立って、かつ自分を出せる優れた自己表現です。
仕事で開発とマネジメントを両方やろうとして失敗したのもあるので、仕事ではなるべくマネジメントに力を入れられるように、今年はプライベートでたくさんコードを書こうと思います。
何をやるかは、まあこれから考えます。
喋りたい
それから、思っていることを言葉としても外に出したいと思っています。
マネジメント系の話はもちろん、お笑いや鉄道の話もコードとしては出せないので。
媒体はどうしようかという話なのですが、文章として出すのはなんか恥ずかしい上に時間かかるし、Twitterだと燃えやすそうな気がするので、ネットラジオみたいなことができれば良いなと思っています。
Kaigi on Railsまで自分のトーク力を過大評価していたのって、芸人ラジオをずっと聴いてるせいでインプット過多になってるのが原因だと思うので。
まあ、「やっぱやめた」とか3日坊主になる可能性も十分あるので、Twitterやここに載せるのはある程度続いてからにします。
まとめ
- 仕事は開発とマネジメントを並行させたがしんどかった
- Kaigi on Railsに登壇したり読書法をまとめたりしたが、コードを書いてなかった
- 今年はもうちょっと自分の思っていることを外に出したい
2021年しくじり気味でしたが、今年は上手く修正していきたいです。
本年もどうぞよろしくお願いします。
- 代わりに通常の保守開発チームにタスクを依頼することになったが、チケット内容をより詳細にしないといけなくなったり、保守開発の工数を守るためにまとまった内容のチケットを依頼できなかったりして、専任が付く場合に比べて負担が大きかった↩
- 「オールナイトニッポン」のテーマ曲。ビールのCMでも長いことアレンジ版が流れているので、ほとんどの人が聴いたことあるはず↩
- 我が家の食事はほぼ自分が担当しています。クックパッドはじめ各種レシピサービスにはお世話になりっぱなし↩
- 技術者としてどうなのという話なので、妻にはあんまり相談してなかったのですが、「自分を卑下しすぎ」とは怒られてました↩
- こんなのブログに書いてる時点でなんなんだよという感じですけどね↩