部屋の隅っこで書く技術ブログ

Web系企業勤務のエンジニアリングマネージャのブログです。技術ブログと称しつつ技術にまつわる個人的な話題が多めです。

EM Meetup読書会「エンジニアのためのマネジメント入門」完走した感想

この記事はEngineering Manager Advent Calendar 2023 - Adventar 24日目の記事です。

今夜はイブですが、クリスマスよりM-1の決勝が気になって仕方ありません。敗者復活はヘンダーソンが上がって欲しいです。

さて、今年の8月から「EM Meetup読書会」というイベントをコアチームの1人として主催し、「エンジニアのためのマネジメント入門」という本を読んでいました。

今週、無事完走しましたので感想を書いていきます。

企画のきっかけ

EM Meetupは2018年から断続的に開催されているミートアップです。毎回多数のエンジニアリングマネージャー(EM)が集まってLTや意見交換をするイベントで、僕はここのスタッフを2020年ごろから務めています。

engineering-manager-meetup.connpass.com

EM Meetupで読書会をやりたい

実は、もともと「EM Meetupで読書会をやりたいなー」というアイデアは持っていました。

普段は忙しいEMが集まって侃侃諤諤と議論を交わすEM Meetupのあの雰囲気が僕は好きです。開催は半年に一度程度なのですが、読書会の形式ならば開催頻度を上げられるのではないかと考えていました。

また、EM向けの本が多数出回っている一方で「EM向けの読書会」というイベントはこれまでなく、自分が立ち上げたいという思いがありました。

それから実は「自分の読書法を改善したい」というささやかな期待もあったりして。EMには読書家が多いですからね。

bonさんの発案

そんなことを思いながら企画のきっかけを掴みそこねていたときに、ある提案がEM MeetupのSlackに投稿されました。

「EM Meetupを読書会形式でも開催してみませんか?」1

後に一緒にコアチームを務めることになるbon(@TTco40160799 )さんからでした。

「現在のMeetupの開催形式を考えると、この提案をすぐ実現するのは難しい」

「しかし、良い提案なのでどうしようか」

というところまで話が進んでいたので、ここで自ら手を挙げて本格的に企画の立ち上げへ動くことにしました。

読書会形式の試行錯誤

企画会議

扱う書籍が決まり、第1回企画会議のメンバーをSlackで募集すると4人の参加者2が集まりました。コアチームの結成です。

その後「節度を守って、ゆるくやる」というアグリーメント(?)も決め、最初の発案から3ヶ月経った8/17に無事初回3を開催しました。

時間内に終わらない読書会

しかし、当初に計画していた形式はなかなか上手く機能しませんでした。

読書時間に各々がGoogle Docs4に感想を書き込んでファシリテーターがそれを順に拾って議論する形だったのですが、盛り上がりすぎて全く時間内に終わらないのです。

予定では21時半に終了なのに、最初の4回くらいは毎回22時を超えていました。子育て中のメンバーもいるのでこれでは継続できなくなってしまう。

ふりかえりと改善

そこでふりかえり回を設けてコアチームで話し合った結果、Google Docsのコメント機能で各々の感想にリアクションを書く時間を作り、そこだけ拾うという形に変更しました。

これによって毎回予定通りの時間に終わるようになり、以降は安定して毎週開催。無事、完走にこぎつけることができました。

また、これによって「意見交換が中心である」会のコンセプトがより明確になったように思います。

読書会やってよかったこと

コアチームと信頼関係を築けた

bonさんの他、mama(@mama_papa0423 )さんとパウリ(@pauli_agile)さん合わせて4人でのコアチームでした。

ファシリテーション・ドキュメントがともに高品質な会になったと自画自賛できるのも、この4人でやれたからだと思っています。

そして「万一、自分が穴を開けても会は行われる」という安心感は半端なかったです。

  • 読書会だけでなくコメントだけ拾うアイデアの発案者でもあるbonさん
  • ファシリも書記も周囲に気を配りさらっとフォローしてくれる気遣いの人、mamaさん
  • 公私共に忙しく欠席も多い中で、自分のファシリ回では場を一番盛り上げていたパウリさん

各々にお礼を言いたいです。ありがとうございました!

著者本人を招いて質問会を開催できた

この本を扱うと決まったとき「著者である佐藤さん(@dskst9)を招いて質問会をやる」のをゴールとできたら良いな、と思っていました。

なにを隠そう、この本はEM Meetupをきっかけの一つに生まれた本で、佐藤さんはコミュニティの中心メンバーだからです。

質問会はつい3日前に行ったばかり。読書会の中で挙がってきた質問に回答いただきました。ディスカッションの中で挙がってきただけに煮詰まった質問も多かったのですが、丁寧なお答えのおかげで本の内容をより深掘りできました。

また、質問をフックによもやま話を皆でするのも本当に楽しかったですね。

あと執筆や出版に関するちょっとした裏話も聞けて、ミーハーな心も無事満たされました(笑)

年末のお忙しい時期に質問会を快諾してくださった佐藤さん、ありがとうございました!

初めてコミュニティイベントの主催を経験できた

今まで多数のコミュニティイベントに参加してきたのですが、スタッフ参加はあっても主催は初めての経験でした。

実際に担当してみると、これまで参加してきたイベントがいかに主催者の尽力によって成り立っていたかがわかりました。頭が下がりますね。

ところで、自分が読書会のコアチームをするにあたって大事にしたのは

とにかく毎週開催して続けること

でした。

EMのコミュニティ、仕組みづくりに一家言持っている人が多いためか「ふりかえりと改善のプロセスを重くしすぎる」という罠があると思っています。

しかしただでさえ忙しいEMですから、プロセスが重いとそのうち継続できなくなってしまいます。また、多忙から役割が果たせない人が出てしまうと、コアチームでの信頼関係にも影響が出ます。

このあたりを踏まえて企画会議ではできるだけ「省エネ開催」になるよう意見を出しました。

果たして読書会は大きな問題もなく完走し、各々が役割を果たしてコアチームでの信頼関係も築けたので、結果的には正解だったのではないかなと思います。

意見を受け容れてもらえて感謝です。

ちなみに、会の進め方の案を出すときは@kyon_mm さんが開催されていた「Googleのソフトウェアエンジニアリング」の読書会を参考にしました(こちらも先日完走)。

engineering-floor.connpass.com

本が新しい分野への入り口になった

「エンジニアのためのマネジメント入門」はマネージャーとして仕事をするための入門書です。

そのため、エンジニアリングから飛び出して経営・組織論・採用・評価など幅広い分野に言及があります。

これが自分にとって新しい分野への入口になりました。

今年は社内で様々な仕事を任せていただけるようになって、学ぶ分野として「エンジニアリング」に引きこもっている場合ではないな、とちょうど考えていたところでした。

ただ、どこから手を出して良いのか分からず、書店でドラッカーを手にとって首を傾げて戻すこと数回、という有様。

今思えば、門外漢だった分野がいきなり群体として目の前に現れたので混乱していたのですよね。

しかし、この本のおかげで来年の学びの取っかかりが得られました。本書は、本文もさることながら参考文献リストが非常に秀逸です。

まずは質問会でおすすめいただいたこの本↓を読みますね。

今後どうするか

良い仕組みが構築できたと思うので、継続してやって行きたいです。

手元の積み本では

あたりが気になっています。

でも、まずはコアチームと常連参加者で新年会をやりたいですね! またDiscordで連絡します(私信)。

次の本を扱う際は、みなさんぜひご参加を。

さて、明日はアドベントカレンダー最終日、担当は小田中さん(@dora_e_m5です。楽しみにしています。


  1. 投稿は今年の初夏頃なので、すでに流れてしまって原文が確認できません。。。
  2. 自分とbonさん含む
  3. 実は初回は帰省中な上に移動中だったため不参加でした。それでも開催できるのがコアチーム形式の良いところ
  4. 初回のみNotionを使いましたが、管理者の負担が大きすぎてすぐにGoogle Docsに変わりました
  5. Adventarを見たらアドカレの参加数が8個でした。鉄人すぎる……