部屋の隅っこで書く技術ブログ

Web系企業勤務のエンジニアリングマネージャのブログです。技術ブログと称しつつ技術にまつわる個人的な話題が多めです。

【情報収集】"本家"mohikan Slackでうまく情報を集めるためのルーティン

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これはmohikanz Advent Calendar 2018 - Adventar 1日目の記事です。

mohikanz Slackて何?

mohikanz Slackとは、mohikan Slackから分離したITエンジニア向け雑談用Slackです。

そもそも、mohikan Slackは以下の記事にあるようにSlackを共同RSSリーダとして使って、ITエンジニアどうし協力して情報収集をしようというコンセプトで立てられました。

qiita.com

このSlackは情報収集に悩むエンジニアたちに人気を博します。そして、人が増えたSlackの常として、いつの間にやら#zatudanチャンネルが立てられました。

会話に飢えたエンジニアたちによって#zatudanチャンネルが盛り上がるにつれて「雑談コメントで記事が流れて情報収集を妨げてしまわないか」という声が上がり、#zatudanチャンネルはmohikanz Slackとして独立する運びになったのです。

分離から1年以上が経ちましたが、毎日常連で賑わっているほかにイベントが頻繁に開催されるなど、mohikanz Slackはすでにひとつのエンジニアコミュニティとして機能しています。

参加者は現在900名ほど。アドベントカレンダー効果で年内に1000行くと良いですね。

ちなみに、mohikanzでは分離元・mohikan Slackのことを【本家】と呼んでいます。

昨年のアドベントカレンダー1日目もあわせてご覧ください。

なんの記事なの

雑談Slackというだけあってテーマもバラバラ、別に技術が関係なくてもOKというゆるふわアドベントカレンダーですが、1日目は大真面目に本家mohikan Slackを私はこう活用してますという記事を書きます。

TL;DR

  • 帰る前に記事を開いて一覧化し、翌日に読め
  • 仕事中にうまく切り替えて少しずつ読め
  • 習慣化すれば時間を使いすぎなくできるが、ときには妥協も肝心

もくじ

本家mohikan Slackのつらみ

mohikan Slackは繰り返しますが情報収集用のSlackですので、毎日ものすごく大量の情報が流れてきます

興味があるチャンネルだけに登録しているとはいえ、全部目を通していると生産性が下がるどころかゼロ。おちんぎん下がって最悪クビです。

というわけで、記事をザッピングして興味ある記事だけを選んで読むわけです。

しかし、読んでるそばから新しい記事が流れてくる。興味を惹かれてクリックするとそれも読んでしまい、結局生産性は下がります。

うーん、なんのために記事を読んでるんでしょうね。我々は技術を磨いて、あわよくばカネをもらうために情報を集めているのではなかったか。

仕方がないので「毎朝出勤直後だけ見ることにして、その日開いたものをその日のうちに読もう」という作戦を取ることになります。

しかし、ただでさえ大量の情報を眠い頭に叩き込まなくてはならない朝のことです。

このタイミングで幅広く大量の情報をザッピングすると、脳がメモリ不足を起こして死にます。朝会で上司のぶち上げてることなど1ミリも頭に入ってきません。

そのうち提出物の情報を聞き逃して人事にどやされたり、経費精算を忘れて備品を自腹で買うことになったりします。

集中力不足はその日の仕事に影響し、やっぱり生産性は下がります。

仮に前の晩に十分な睡眠を取った上で早起きし、出勤時に脳が十全に働いていることとしましょう。

それでも、今度は読んでいる時間がないという問題が立ちはだかります。

次々に差し込まれる割り込みタスクやら、踏んでしまったバグの調査やらで夢中になっているうちに、時計はあっという間に定時を指し始めます。

朝に気持ちよく開いた記事はブラウザのタブバーの端っこで読まれることもなく翌日を迎え、それ以降に開かれた記事に埋もれて陳腐化していく運命をたどるのです。

そもそも、記事を読まないんじゃ情報は全く収集できていません。さらに悪いのは、記事を選んで開いたという事実で情報を集めている気になってしまいます

我々の手元に残るのは「なんとなく情報を集められているよ」という事実からかけ離れた感覚だけです。

今度は生産性は下がっていませんが、もっと大事なものを失っている気がします。

つまり、本家mohikan Slackはその情報の膨大さゆえに生身で立ち向かうと死ぬのです

つらみをまとめると、こんな感じでしょうか。

  • 朝ザッピングすると集中力下がる問題
  • 記事を読む時間がない問題
  • 読まなかった記事が埋もれる問題

つらみへの対処

つらみが大量にありますが、集団を相手にしたときの基本戦術は各個撃破です。一つずつ検討していきましょう。

朝ザッピングすると集中力下がる問題

朝って脳のメモリが空いている感覚ありませんか?

あの時間をうまく使えば生産性の高い仕事ができますよね。1日分の仕事を半日で終わらせて後は遊んでたりできるので、朝を有効に使うのはとても重要です。

ところが、記事のザッピングというタスクをここに差し込むと、朝から脳のワーキングメモリをいきなり埋めてしまって集中力を低下させてしまいます。

やることは記事のタイトルをざっと見て読みたい記事を選んでクリックするだけなのですから、これは脳が疲れていてもできますね。

というわけで、ザッピングは帰宅直前にやりましょう。

ここで開いた記事を翌日読んでいくのです。

記事を読む時間がない問題

忙しく仕事してると、だらだらしている時間がある割には気が急いてしまって「記事を読む暇なんかねーよ」と思ってしまいがちです。

というわけで、忙しくても記事を読んで良い時間という免罪符を自分に与えられる時間を作ります。

ところで、ポモドーロ・テクニックという仕事術があります。25分集中して、5分休憩。これを繰り返すことで生産性を最大化できる、というやつですね。

www.lifehacker.jp

このポモドーロ・テクニックの5分休憩に記事を読むというタスクを差し込みます

25分間カタカタ仕事して、5分記事を読む。コーヒー飲みたかったりトイレ行きたかったりしたらあと5分休憩して1サイクルです。

朝の集中力が高い時間ならトイレやコーヒーを抜いてノンストップで走れるので、かなり高い生産性が出せます。

かつ、記事も良い感じで減っていきます。

読めるのは1日5記事程度ですが、昼休みを超えると集中力がぐっと下がるので、休憩時間のバランスを多めに変えても良いと思います。

他にも仕事以外のスキマ時間をうまく活用する手もありますが、それは次の問題と同時に解決するのでここでは一旦先延ばし。

読まなかった記事が埋もれる問題

読まなかった記事が埋もれている人のChromeのタブバーはだいたいこうなっています。

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どうです?心当たりあるでしょ?

この状態、読む記事の取捨選択ができないために埋もれる記事を余計に増やすことになります。

終業前の疲れたアタマでついつい開いてしまったサイゾーのネタ記事だとか週刊アスキーのグラドルの記事だとか、翌日冷静になってみると別にいいやってなる記事に読むべき記事が埋もれる状況は避けなくてはいけません。

これを避けるためには、記事のタイトルを一覧できる状態にすること。Chrome拡張機能を利用します。

chrome.google.com

OneTab, 人気の高い拡張機能のようで多くの紹介記事が見つかります。ちなみにFirefox版もあるみたいです。

機能はシンプルで、ボタンを押すと開いている全部のタブを1個にまとめてくれます。こんなふうに。

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終業前に本家をザッピングして開いた記事をOneTabにまとめ、翌日1つずつ読むわけです。

開いたタブはこの一覧から消えるので、読んだ記事どれだっけ、となることもありません。

読まなくていいやってなった記事はリンクの左にポインタを合わせると消すことができます。

さらに、OneTabを使うことでスキマ時間も使いやすくなります。

OneTabにはタブ一覧をHTMLにしてURLを付与するという機能があるんですが、

この機能で作ったURLをどこかに書いておけば、帰りの電車でスマホで記事が読めます

置いとく場所はEvernoteでもGoogle Keepでも良いですが、自分は個人Slackにしています。

記事を読むにはスマホじゃなくてタブレットがあると理想的ですよね。

帰りの電車は疲れてるのでまとめサイトとかTwitterとか見ちゃいますが、それはまあご愛嬌。たまにやるのでも、やらないよりはマシです。

対処法をスケジュールにまとめてみた

というわけで、上記の方法でつらみはほぼ解消されます。

上記の対処法をまとめるのと同時に、習慣の力を借りて確実に実行できるよう、スケジュールの形にしてみました。

  • 始業直後
    • 毎日更新される記事だけはここで読む
      • 貯まると読むモチベーションが下がるために必ず殺しておく
      • 自分の場合はrails commitlog 流し読み
  • 午前中
    • 集中して仕事する
      • ポモドーロの力を借りて25分→5分を繰り返す
  • お昼休み
    • ここで記事読んでも良い
    • 自分は気が休まらないのが嫌なのでやってない
  • 午後
    • 集中力が落ちるので、午前中より多めに記事を読む
    • 実際はmohikanzやTwitterを見ていることも多い
  • 終業前
    • 終業30分前になるorその日の仕事が終わると本家のザッピング開始
    • ここで読みたい記事をすべてタブにしてOneTabにまとめる
    • OneTabからURLを発行してGoogle Keepなり個人Slackなりに置く
  • 帰り
    • 気が向いたらさっき投げておいたURLを開いて記事を読む

実際、平日の自分は概ねこれに従って生活してますが、冒頭に挙げたつらみのほとんどは解決しました

残った課題

これだけの対策を講じても、残る課題はいくつかあります。

やっぱり読みきれない記事がある問題

このルーティン始めて1年くらいですが、未読記事が400くらいたまりました

1日につき未読1のペースなので結構頑張ってるほうではあります。

1年前の未読記事を眺めてみると案外時事ネタが多く、変化の早い業界(自分の観測範囲だとブロックチェーン)だとすっかり陳腐化してまあ読まなくていっか、ってなります。

OneTabに残り続けてる記事なんて順番に読んでいく中で後回しにしたものなんですから、それほど自分にとっての重要度は高くないはずなんですよね。

半年に1回くらいOneTabを掃除するのは面白いかも知れません。掃除のときに捨てようとした雑誌を読んでしまうような感覚で記事が読めそう。

本を読む時間ない問題

これは本当に深刻で、目先の情報収集にとらわれるとより質の高い情報を摂取できなくなります。

スピード重視で質が犠牲になりがちで玉石混淆な情報に追われ、出版という選別と品質担保のフェーズを経た情報を逃すのはもったいなさすぎです。

上に書いた「帰りの電車で記事を読む」というのは割とやりすぎの領域で、電車の中など少しまとまった時間の取れる場所では本を読むべきなんだと思います。

読み物系の技術書なら電子書籍でもあんま問題ないですね。

手を動かす時間ない問題

これは本当に深刻でry

こちらも習慣の力を借りましょう。朝の電車で座れるならそこがとても良いです。

情報収集、やり始めるとキリがないので妥協が肝心なんだと思います。

まとめ

  • 帰る前に記事を開いて一覧化し、翌日に読め
  • 仕事中にうまく切り替えて少しずつ読め
  • 習慣化すれば時間を使いすぎなくできるが、ときには妥協も肝心

はい、こんな感じでした。TL;DRからのコピペすな。

なんか初日からめっちゃ長い記事を書いてしまった。飛行機の中で書いたんですが、誘惑ないと筆が進みますねー。

mohikanz Advent Calendar 2018, 明日は@saitotakさんの「転職後のためにやったこと」です。